
ポジティブ心理学とは
一言で表すなら「幸せを科学する心理学」です。
ポジティブ心理学とは1998年アメリカの心理学者マーティン・セリグマンによって心理学の一分野として公式に発表されたものです。

実は、幸せや有意義な人生についての歴史は古く、ギリシア時代から探求されてきました。
ではなぜ、ポジティブ心理学が新しい心理学と言われるのかというと「科学的研究」によりその現象の奥の奥まで徹底して調査の上で分かりやすいアイデアや理論・効果的であり単純なテクニックや助言により提唱されているからです。
これまでの幸せに関する探究と違うのは、根拠が曖昧なものではなく「科学的に立証されているもの」という所でしょう。
また、これまで心理学というと「心の病」に対し考えられるものがほとんどでした。イメージとしては心の「マイナス」部分に焦点をあてるものです。
ポジティブ心理学は「人の幸せ」「人生をよりよく生きる為」の心理学。イメージは「プラス」から「更にプラスに」していくための心理学と言えます。
分かりやすく言えば「なぜうまくいかないか」を研究するものではなく「どうすればうまくいくか」を研究する心理学です。
また、幸せに関する分野では多くの心理学者が色々なテーマについて研究しています。
例えば・・・
ハーバラ・フレドリクソンは「ポジティブ感情」
ミハイ・チクセント・ミハイは「フロー」
タル・ベン・シャハーは「幸福」
エド・ディーナーは「主観的幸福」という言葉を提唱
ソニア・リュボミアスキーは「持続的幸福」
などなど。
ポジティブ心理学は一人の学者が系統立てて研究している学問ではありません。
また、「幸せに生きるための授業」として2002年からハーバード大学ではポジティブ心理学を授業に取り入れています。
ポジティブ思考とポジティブ心理学の違い
ポジティブ思考は良く聞く言葉かと思いますが、ポジティブ心理学は何が違うのでしょうか。
一言でいえばポジティブ心理学は「科学的に研究された心理学」というところです。
ポジティブ思考は・・・
自分自身の経験や自分なりの判断がベース。科学的根拠はありません。また、辛い事があっても「私は幸せだ」と言い聞かせたり、ネガティブなことは良くない事と思われる傾向があります。
例えば、リスクがありそうなことでも「何とかなるぜ」と楽観視したり、自分自身の良い所だけ見て悪い事からは目を逸らす
ポジティブ心理学は・・・
よりよい生き方や幸せ、ウェルビーイングについて科学的に研究。統計データによって多くの人に効果があると科学的に実証されている。ネガティブは悪い事ではなくネガティブの役割を理解し、ポジティブとのバランスを大切にしています。
例えば、ネガティブ感情の役割の理解や自分自身のネガティブ感情と向き合ってみたり、幸せの種類を知り、自分自身がどんな時に幸せを感じるかを知ることが出来る。ネガティブ感情とポジティブ感情のバランスを計算し知ることが出来るなどがあります。
「ウェルビーイング」と「ハピネス」の違い
最近「ウェルビーイング」という言葉をよく聞くようになりました。日本人が幸せと聞きイメージするのは「HAPPY」ではないでしょうか。
ポジティブ心理学は「ウェルビーイング」を追求する学問です。では、ウェルビーイングとハッピーは何が違うのでしょうか。

ウェルビーイングとは、直訳すると「良い状態」。精神的・肉体的・社会的に良い状態」
ハピネスとは、「ごきげん」なイメージ
ウェルビーイングは継続的に良い状態が続いていくイメージ、ハピネスは一瞬一瞬の気分的なイメージといった感じでしょう。
ポジティブ心理学の3つの段階
ポジティブ心理学は「主観的」「個人的」「社会的」という3段階を研究対象としています。
主観的範囲とは・・・「良い気分を感じる事」に焦点を当てた研究
主なテーマは「感情」「充実感」「フロー」「楽観性」「幸福」など
個人的範囲とは・・・「良い人生」「良い人間」であるために何が必要か。必要な資質とは何かを研究
主なテーマは「強み」「対人スキル」「レジリエンス」「困難への対応」など
社会的範囲とは・・・「良い社会」「良い組織」についての研究
主なテーマは「道徳」「教育」「労働論理」「組織開発」など
日本でも元々ロボットの研究をされていた、慶應義塾大学大学院教授・前野隆司先生が幸福学の研究から「幸せの4つの因子」を提唱されています。